スタンレー電気は、新たなセンシング光源として車載品質(AEC-Q102準拠)の赤外VCSELデバイスを開発しました。VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)とは、表面実装した基板に対し垂直方向にレーザーを射出する光源です。
自動車がより安全で快適な移動手段となるため車載アプリケーションは進化を続けており、採用の進む先進運転支援システム(ADAS)や、搭載に向けた動きが加速する自動運転技術はその代表例です。
赤外線はドライバーや乗員などを対象とした車室内のモニタリングに用いられていますが、アプリケーションの進化に合わせて光源への要求も変化しています。
当社は赤外VCSELを製品ラインナップに加え、お客様のご要望に最適なソリューションを提供します。
センシング光源として、VCSELにはLEDと比較して以下の違いがあります。
VCSELは実装面から垂直方向へのレーザー発光が特徴です。横方向へ漏れる光が少ないため、長方形に均一な照射像など、カメラの画角に適した配光制御が可能です。
一般的に車載アプリケーションでは、センシング時の太陽光によるノイズ対策として、センサにバンドパスフィルタ(特定の波長をカットするフィルタ)を取り付けて使用します。VCSELはLEDと比べ波長スペクトルの幅が狭く、温度による波長の変化も小さいため、フィルタによる光のロスが少なくなります。
結果として、VCSELの光は効率良くセンサに届きます。
VCSELは、パルス点灯時の立ち上がり/立ち下がり応答速度が速いという特徴があります。パルス点灯の間隔を速めることができるため、高速なセンシングが求められるTOFカメラ(光の飛行時間を観測に利用)の光源に適しています。
・解像度や、距離の分解能が高い
・手や指の動きもクリアに捉えている
・タイムラグの少ない検知
車載アプリケーションで使用するデバイスには、過酷な環境でも安定した品質であることが求められます。
スタンレー電気はヘッドランプ用などのハイパワーLEDで培ったパッケージ技術により、高放熱/高信頼性のVCSELデバイスを開発し、車載規格であるAEC-Q102を達成しました。
加えて、灯体や照明など様々な用途で光を扱ってきた当社の強みである配光制御技術を用い、アプリケーションに応じた配光を実現しました。
標準品として配光の異なる2種類の製品があり、今後、更にラインナップを拡大していきます。アイセーフティはいずれもIEC60825-1&CFR Part1040.10の安全基準クラス1であり、人に向けて発光させても問題無いように設計されています。
スタンレー電気ではセンシング/モニタリング用途の赤外LEDも豊富にラインナップしています。
ご要望、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。